【専欄】転向・非転向、それぞれの晩年 元滋賀県立大学教授・荒井利明 (1/2ページ)

2017.6.27 05:00

 王力と戚本禹、ふたりは毛沢東の指導下で文化大革命(文革)を推進した指導者だが、今では中国でも知っている人はほとんどいないだろう。王力は1996年10月に75歳で、戚本禹は昨年4月に84歳で、亡くなった。死後に遺(のこ)された回想録を読みながら、文革についての見解をまったく異にしてしまったふたりの晩年を考えた。

 ふたりはいずれも「中央文革小組」のメンバーとして、ほぼ同時期に失脚するまでの約1年半、大きな権力を振るった。同じ監獄でともに十数年を過ごしたが、出獄後はそれぞれの道を歩んだのである。

 戚本禹の上下2冊の回想録は、その死の直後、香港で出版された。戚本禹は建国直後の50年初めから、中国共産党中央弁公庁の職員として毛沢東の身近にあり、回想録には68年初めに失脚するまでの18年間、とりわけ文革初期の党指導部の動きが詳しく描かれている。

 戚本禹は回想録で、政権を掌握した共産党とその幹部の腐敗・変質をいかにして防ぐかは未解決の課題で、文革はその解決をめざす積極的な模索だったが、最終的には解決できなかったと述べている。

 また、文革後の中国について次のように記している。毛沢東は文革が始まる直前、30代の戚本禹に「革命を堅持すれば、共産主義の曙を目にすることができるだろう」と語ったが、「私が目にしたのは、共産主義の曙ではなく、あらゆる分野における資本主義の復活である」と。

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