ニューデリーのマックが大量閉店 その訳は…

マクドナルド店舗の外観=東京都港区(宮崎瑞穂撮影)
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 最近、ニューデリーにあるファストフード「マクドナルド」の大半の店が一斉に閉まるという珍事があった。

 マクドナルドといえばビーフハンバーガー。ヒンズー教徒の多くが牛を神聖視するインドだから、こんなことが起きたのかと思う人もいるかもしれないが、そうではない。印メディアによれば、現地の共同事業体の内部対立が原因だ。

 マクドナルドとインド人役員の主導権争いから、ニューデリーにある55店のうち43店が先月29日、飲食店免許の失効により、一夜にして、シャッターを閉めてしまったという。争いはロンドン国際仲裁裁判所に持ち込まれている。

 そもそも、インドのマクドナルドでは、肉はチキンと魚しか使われていない。以前、食べかけの商品をレジの店員に突きつけて、「これはビーフだ。どうしてくれる!」と絡んでいる客を目撃したことがあるが、ビーフはもちろん、イスラム教徒が忌避するポークも使われていないのだ。繁華街の店は、いつも大勢のインド人客でにぎわっている。

 マクドナルドによれば、閉店は一時的なものだが、再開のめどはたっていない。カレーが主流のインドで、マクドナルドの商品は日本人にも、ありがたい。けんかは早くやめてほしい。(産経新聞社 岩田智雄)