日銀大阪支店は20日、関西を訪れる外国人観光客による消費の経済効果が、平成28年度は1兆4043億円に上ったとの調査結果を公表した。成長率も0.2%程度押し上げており、関西経済への貢献度の大きさが浮き彫りになった形だ。
買い物や宿泊などによる直接的な効果は、27年度からやや減少し8697億円だった。一方、ホテル建設といった不動産業や製造業などへの波及効果も5346億円あり、担当者は「他の産業と比べ地元にお金が落ちやすく、地域経済への寄与が大きい」と指摘した。
関西経済の25年度から28年度にかけての年平均成長率1.2%のうち、0.2%が訪日客消費の効果だと分析している。
28年度の訪日客消費は、円高進行や中国での関税引き上げの影響で失速したが、今年に入ってからは、アジアからの観光客の増加に伴い、拡大傾向にあるという。
日銀は経済効果の大きさから、訪日客誘致は「地域を挙げて取り組む価値がある」と指摘。課題として、受け入れ態勢の強化や交通インフラの整備などを挙げた。