冷凍牛肉セーフガード、日米貿易摩擦に発展? 「米がFTA交渉入りを迫る口実に…」

 米国産牛肉に対する緊急輸入制限(セーフガード)措置が発動されればトランプ米政権の反発は必至だ。10月にも開かれる日米経済対話などで、日本の牛肉市場の開放を狙って自由貿易協定(FTA)の交渉開始に向けた圧力を強める恐れがあり、通商摩擦に発展する懸念が出てきた。

 農林水産省幹部は「米国がFTA交渉入りを迫る口実にするかもしれない」と、セーフガードの発動に懸念をもらす。

 ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、米国の貿易赤字削減のため「日本は牛肉などの通商交渉で一方的に譲歩すべきだ」と主張した。米国産牛肉と競合するオーストラリア産牛肉に対し、日本が経済連携協定(EPA)に基づき38・5%の関税を段階的に引き下げているためだ。米国はFTA交渉を通じ、自国産牛肉の大幅な関税削減を実現する構えだ。

 ただ、米国離脱で宙に浮いた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が発効すれば、牛肉関税は日豪EPAを大幅に超える9%まで下がる。セーフガード発動時の関税率も、50%ではなく38・5%になる。

 このため「嫌なら米国がTPPに戻ればいい」(経済官庁幹部)との声もある。日本政府にはセーフガードを機に米国にTPP復帰を促す思惑もありそうだ。(田辺裕晶)

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。