民進党の蓮舫代表が27日、辞意を表明した。旧民主党時代を含めて初の女性党首としての鳴り物入りの登板から1年にも満たない間で、迷走に迷走を重ねた末の辞任劇だった。政権運営の失敗という烙印(らくいん)を背負った民進党にとって「ジャンヌダルク」ともいえる存在だった蓮舫氏は、満身創痍(そうい)で退場を余儀なくされた。(産経新聞社 松本学)
記者会見場に現れた蓮舫氏は、泣きはらしたような真っ赤な目をしていた。
「一議員に戻ります。努力して、もっと学んで、もっと強くなる…」
蓮舫氏自身が会見で認めたように、首相を目指す野党第一党の党首として器も力量も十分ではなかった。
昨年12月の安倍晋三首相との党首討論では、事実誤認のオンパレードの質問をしたあげく、「息をするようにウソをつく」と首相をなじった。首相との対決の際の質問作成に100時間以上を費やした岡田克也前代表のような愚直な姿勢は感じられなかった。
一応の説明責任を果たした「二重国籍」問題も、発覚当初は言い繕いを重ねる不誠実な対応に終始した。
ただ、蓮舫氏が余人をもって替えがたい発信力とキャラクターを備えていることも否定できない。
蓮舫氏は旧民主党政権時代、むだな予算に敢然と切り込む姿から「仕分けの女王」と称された。人気は根強く、先の東京都議選では党勢が低迷する中、蓮舫氏がビラを配ると他の議員とは比べものにならない早さでビラがなくなった。