日欧合意でメガFTA追い風 通商交渉“秋の陣”進展なら米TPP復帰も (1/4ページ)

 日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が大枠合意に達したことを受け、多国間の巨大な自由貿易協定(メガFTA)交渉の風向きが様変わりしようとしている。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など他の枠組みも議論が活発化し、交渉が進展すれば、秋には“大型契約”が相次ぎ、世界の自由貿易が一気に加速する可能性が出てきた。

 早期妥結に手応え

 閉ざされた会議室の奥から大きな拍手が上がると、各国の交渉官が満足げな笑みを浮かべ歩み出てきた。

 13日までの2日間、神奈川県箱根町で開かれたTPPの首席交渉官会合。離脱した米国を除く11カ国は、早期発効に向けて交渉を加速する方針で一致した。11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での大筋合意を目指す。焦点となる協定文の修正は「最小限」にとどめ、12カ国で合意した高いレベルの貿易自由化を維持する作業指針もまとめた。

 最小限の定義をめぐり思惑に隔たりはあるが、各国は早期妥結に手応えを得たようだ。11月までに発効に向けた道筋を描くべく事務レベルで協議を進める。

 公約通りにトランプ大統領が決めた米国の離脱で一度は崩壊の危機に瀕(ひん)したTPP。だが、米欧で急速に広がる保護主義の動きに危機感を覚えた日本や、事務局のニュージーランド、オーストラリアなどが議論を主導し、米国が将来復帰するのを期待しつつ、まずは11カ国で発効させる方針を固めた。

メガFTAの恩恵を受けられない米国内では動揺が広がっている