安倍晋三首相に「女難の相」がささやかれている。「女性が輝く社会」を掲げ、女性の積極登用を実践してきたが、女性閣僚や自民党女性議員は輝くどころか、政権の足を引っ張ってばかりだからだ。内閣改造・自民党役員人事を3日に控え、女性閣僚を起用するか否かは首相にとって頭痛の種となっている。(田北真樹子)
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首相の「女難」は今年に入って顕著だ。その筆頭は首相の「秘蔵っ子」の稲田朋美前防衛相だといえる。
昨年の内閣改造で防衛相に抜擢(ばってき)したが、野党の格好のターゲットとなり国会は紛糾した。今年2月に南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題が浮上すると逆風が強まった。決定打は7月2日の東京都議選応援での「自衛隊としてよろしく」発言。都議選での自民党の歴史的大敗の一因となり、日報問題もからんで7月28日に辞任に追い込まれた。
稲田氏以上に破壊力があったのは、2回生の豊田真由子衆院議員だ。豊田氏の元政策秘書に対する「このハゲ~~」などの罵声や奇妙な替え歌の録音は都議選中に繰り返し、テレビのワイドショーで報じられた。