3日発足した第3次安倍晋三第3次改造内閣は、引き続き経済最優先を前面に押し出す。足元では大型補正予算を求める声が相次ぎ、高齢化で社会保障費も増えるなど歳出圧力は強い。財政は逼迫するが、消費税再増税延期の観測も出始めた。成長を維持しつつ、財政再建に取り組む姿勢が問われる。
新内閣では、安倍政権の経済政策「アベノミクス」を推進してきた麻生太郎財務相らが留任。重要ポストにも閣僚経験者を配し「経済再生を最優先に政権の政策を前に進める」(菅義偉官房長官)考えだ。
足元では、支持率低下を背景に、政府・与党内で大型補正予算を求める意見が浮上。麻生氏は3日の記者会見で「有効な需要を作るため財政(支出)を使わないといけない」と財政出動の必要性をにじませた。
安倍政権は幼児教育と保育の無償化を打ち出したが、財源捻出はこれから。企業と働く人が保険料を負担する「こども保険」で賄う案などが浮上するが、経済界には反発が根強い。
与党内には大学など高等教育の無償化を求める声もあり、借金にあたる国債増発圧力は高まっている。
高齢化で医療や介護など社会保障費も増加が続く。平成30年度予算編成では、社会保障費の自然増を1300億円抑制する必要がある。医療機関に支払われる診療報酬などの改定も予定されるが、業界団体や与党の抵抗が予想される。