Fintech(フィンテック)サービスには法律をはじめとした制限や課題がつきものだ。ソーシャルレンディングもその例に漏れない。本稿では、今後解決されるべきソーシャルレンディングの課題について解説する。
▽2つの法にのっとったビジネスモデル
ソーシャルレンディングは個人から募った小口資金を大口化し、借り手企業に融資する仕組み。その特性上、投資家から資金を集めることを規制する「金融商品取引法」と融資を事業として行うことを規制する「貸金業法」という2つの法律にまたがったビジネスモデルとなっている。基本的にはこれらのライセンスを取得していない限り、ソーシャルレンディングサービスの運営はできない。
しかし、これらの法は当然ソーシャルレンディングを意識してつくられたものではない。金融商品取引法は投資家を保護する観点から投資先情報開示の徹底を求める一方で、貸金業法は債務者保護の観点から債務者情報の秘匿性を重視する。この異なる目的を有するふたつの法的スキームを活用することよって、ソーシャルレンディングは矛盾を内包することとなり、結果、情報の透明性という点で足かせになっている。