【専欄】党大会に向かう中国 元滋賀県立大学教授・荒井利明 (2/2ページ)

 習近平と李克強のほかに誰が新しい最高指導部を構成し、誰が習近平の後継者候補に抜擢されるのか。確定的な情報はないが、「習近平人事」となるのは間違いないだろう。

 もうひとつの焦点は、「習近平思想」が毛沢東思想やトウ小平理論と並んで党の「行動指南」として党規約に明記されるか否かである。

 これに関しては以前このコラムで否定的な見解を記したが、最近の注目すべき動きは、党中央組織部所管の雑誌「党建研究」(7月号)に「第18回党大会以降の革新的理論は習近平思想と呼べるだろう」と主張する論文が掲載されたことである。

 論文の筆者は同誌編集部で、習近平思想について、「マルクス主義の中国化の最新成果であり、中国の特色ある社会主義理論体系の最新の発展」と評している。

 この論文は雑誌の電子版からは削除されており、「習近平思想」をめぐって党内でなお議論が続いていることをうかがわせるが、党中央機関の雑誌に掲載された論文が「習近平思想」として位置付けたことは、党規約に明記される可能性が強くなっていることを示すといえよう。

 だが、習近平思想と呼ぶにふさわしい思想が本当にあるのか。習近平を毛沢東と同じレベルの思想家とするにはやはり無理があるだろう。(敬称略)

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