カンボジアを代表する観光地で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産の一つ「アンコール遺跡群」の入場料収入が伸びている。入場券を販売する国営アンコール・エンタープライズによると、2017年上半期の入場料収入は、前年同期比68%増の5220万ドル(約57億7400万円)だった。旅行者増に加え、入場料の値上げが奏功した。現地紙プノンペン・ポストなどが報じた。
上半期にアンコール遺跡群を訪れた外国人旅行者数は、同13%増の120万人に上った。主に、中国、韓国、米国からの旅行者だった。
カンボジア政府は今年2月からアンコール遺跡群の外国人向け入場料を大幅に値上げした。1日券が20ドルから37ドル、3日券が40ドルから62ドル、7日券が60ドルから72ドルとなった。
専門家は当初、入場料の値上げが旅行者減を招くと危惧していた。しかし、上半期の入場料が順調に伸びていることから、アンコール遺跡群を管理するアプサラ・オーソリティーの広報官は「値上げによるマイナス影響はみられない」と述べた。
同国はこれから観光シーズンを迎えるため、下半期も入場料収入の伸びが期待される。