【クレムリン経済学】色丹島に特区設置、日本揺さぶり 北方領土の共同活動不透明に (3/3ページ)

北方領土・色丹島の斜古丹=2016年12月(共同)
北方領土・色丹島の斜古丹=2016年12月(共同)【拡大】

  • 斜古丹の街を歩くロシア人住民=2016年12月(共同)

 返還交渉困難に

 一方でロシアの軍や治安当局関係者は、共同経済活動を通じ北方領土で日本のプレゼンスが拡大することを懸念しており、それでもロシアが協議に応じた背景には「日本を政治的な交渉に引き出す意図」(同)があったためと指摘されている。

 ロシアの経済特区はこれまでも多数設置されているが、一方で計画性の乏しさから、目立った成果を出せず閉鎖されるケースも少なくなかった。色丹島のようにインフラが未整備で、その改善だけで多額の予算が必要な地域での特区は、経済的に成功はしない可能性もある。

 ただ、9月の首脳会談では共同経済活動が主要議題となる見込みで、日本は今回のロシアの動きへの対応に苦慮するのは確実だ。領土交渉という側面からみても、色丹島は1956年の日ソ共同宣言で平和条約締結後に日本側に引き渡すとされた島で、露側の措置は日本の領土返還交渉をさらに困難にさせかねない。

 共同経済活動をてこにロシアとの本格的な交渉に乗り出した日本政府だが、先行きは極めて不透明になりつつある。(モスクワ 黒川信雄)

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