インドネシアは、旅行者増を目的に観光開発を加速させている。同国の観光省は、東ジャワ州のシンガサリとポロウィジョの2カ所を新たに経済特区(SEZ)に指定する方針を示した。同省が観光の新たな目玉とする国内10スポットの一つで、同じ州にあるブロモ・テンゲル・スメル国立公園の振興を周辺地域から支える狙いもあるとみられている。現地紙ジャカルタ・ポストが報じた。
同省によると、インドネシアで観光分野のSEZの認定を受け、開発で税制面などの優遇措置を得るには、(1)文化または自然で魅力が認められ、国家観光開発地区の認定を受けている(2)国際空港や港湾に近く交通利便性が高い(3)100万平方メートル以上の土地が確保できている-の3条件を満たす必要がある。
アリフ・ヤフヤ観光相によると、シンガサリとポロウィジョは3条件をすべて満たしている。同相は、インドネシア第2の都市で東ジャワ州の州都でもあるスラバヤに近いことも観光地として有利だとの考えを示し「市の中心部から車で2時間半という近さは魅力的だ」と述べた。
シンガサリは1200年代にシンガサリ王朝が栄えた土地で、地元マラン県などが参加するコンソーシアム(企業連合)が当時の遺跡など歴史遺産を中心に観光開発を進める。SEZの面積は3つの村にまたがる200万平方メートルとなる予定で、近くには高級ホテルや病院の建設計画もあるという。
ポロウィジョも総面積200万平方メートルのSEZとなる見込みで、石灰岩採掘会社ポロウィジョ・ゴサリが園芸分野の開発を進める。園芸場などをめぐる観光ツアーを計画しているほか、園芸関連の学究施設を建設する予定だ。(シンガポール支局)