水素燃料電池でコスト削減 小売り2強がフォークリフト運用 (1/2ページ)

 アンディ・マーシュ氏の見据える未来にはフォークリフトがある。同氏の経営する小さな燃料電池機器メーカー、プラグ・パワーは長年、顧客の獲得に苦労してきた。だが、そうした時代は終わった。今年4月、米アマゾン・コムが10カ所の物流施設で同社の水素燃料電池を使ったフォークリフトを試験運用することに合意したのだ。7月には米小売り大手のウォルマート・ストアーズもアマゾンの6億ドル(約661億6000万円)規模の契約に対抗し、同様の取引に合意。プラグ・パワーの電池で走るフォークリフトを使用する倉庫の数を、58へと倍増させた。

 ◆24時間流通を実現

 「小売業界最大手の2社が『この技術で私たちのビジネスはより良くなる』と言っているのだから、将来性は確かだ」とマーシュ最高経営責任者(CEO)は語る。

 1808年に最初の水素燃料自動車が製造されて以降、水をエネルギーに変えるこのクリーン技術は比較的コストが高いことなどが欠点とされ、広く普及することはなかった。だが、アマゾンとウォルマートのおかげで、水素燃料電池はフォークリフトの中に居場所を見いだした。

 さらに、数は物を言う。米国の国立再生可能エネルギー研究所が2013年に行った調査では、水素燃料電池式フォークリフトは最高5万8000ドルと、標準的な鉛酸蓄電池式フォークリフトの約2倍するが、平均耐用年数の10年で考えると水素燃料電池式の方が10%安くつくことが分かった。燃料電池への水素の補充は数分で済むため、電池充電のための人件費を削減し、倉庫のスペースを開放し、24時間体制で商品を流通させることができるからだ。

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