【高論卓説】安全保障上重要な原発 暴挙繰り返す北への潜在的核抑止力 (1/2ページ)

 6度目の核実験を行った北朝鮮からの度重なる脅威によって、日本でもにわかに「核武装論」がささやかれ始めた。選択肢としては現実的とはいえないが、抑止力となり得る選択肢については、どれも目をそらさずに、議論していくべきである。独自で対抗できる手段はかなり限られているが、日本の防衛という観点から重要なのは、原子力政策であることに改めて注目したい。日本は戦後、エネルギーの安定供給の手段として、原子力発電を推進してきた。

 東日本大震災以後、新規制基準の適合審査がなかなか進まず、現在稼働中の原発は5基。それも全て西日本であり、電力の最大消費地である首都圏を含む東日本の原発は1基も稼働していない。この現状は、日本の安全上、さまざまな危惧を生んでいる。

 1つは、原子力に代わるエネルギー供給源として、電源構成の8割を占める火力発電の燃料についてである。火力発電の最大の燃料は液化天然ガス(LNG)であり、サウジアラビアなどが国交を断絶したカタールは、日本のLNG輸入量としては3番目に多い国だ。東日本大震災以降は、「米国のLNGと比較して6倍もの割高な価格で日本に販売していた」と、今月2日付の産経新聞で、和光大学教授の岩間剛一氏が指摘している。

 カタール産のLNGを載せた船は、ホルムズ海峡や中国が不法に軍備拡張を図る南沙諸島付近を通過する。この付近が海洋封鎖などの事態になれば、エネルギー安全保障の観点からも大きな問題を引き起こす。

2つ目は原子力専攻の学生数減少