4~6月期GDP改定値は実質年率2・5%増へ下方修正

4~6月期のGDP
4~6月期のGDP【拡大】

 内閣府が8日発表した平成29年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、物価変動を除く実質で前期比0・6%増、このペースが1年間続くと仮定した年率換算で2・5%増だった。設備投資が伸び悩み、8月に発表された速報値の前期比1・0%増、年率4・0%増から大幅に下方修正された。プラス成長は6四半期連続で、1~3月期の1・2%増から伸び率が拡大した。

 景気実感に近い名目GDPは前期比0・7%増、年率換算で3・0%増だった。

 速報値の後に発表された4~6月期の法人企業統計を反映し、設備投資を下方修正した影響が大きかった。ただ、個人消費や公共投資は底堅く、内閣府は「内需主導の経済成長が続いている認識に変わりはない」としている。

 実質GDPでみると、需要項目別では個人消費が速報値の0・9%増から0・8%増へとわずかに下方修正された。消費を牽引(けんいん)している飲食サービスや飲料が、6月に入り減速したのが響いた。

 設備投資は、2・4%増から0・5%増へと大きく引き下げられた。4~6月期の法人企業統計において、自動車を中心とする輸送機械や電機などの製造業で投資が一巡した影響が出た。住宅投資は、不動産の仲介手数料が伸び悩み、1・5%増から1・3%増に下方修正された。

 一方、公共投資は、28年度第2次補正予算の執行本格化を背景に6月も好調で、5・1%増から6・0%増へと上方修正された。輸出は0・5%減、輸入は1・4%増と、いずれも速報値から変化がなかった。