観光財源確保、今秋までに議論集約 15日に有識者初会合

 2020年までに訪日外国人客数を4000万人に増やす政府目標の達成に向け、観光庁は12日、訪日客の受け入れ態勢整備などに充てる新たな財源を検討する有識者会議の初会合を15日に開くと発表した。旅行者から徴収する「出国税」など海外の事例も参考に、今秋までに議論をとりまとめる方針だ。

 有識者会議は観光分野や税制の専門家らで構成。財源規模や徴収方法、使途など制度の詳細を議論する。10月末までに5回開く予定で、年末に取りまとめる税制改正大綱への反映を目指す。

 海外では、オーストラリアが航空機や船舶で出国する旅行者に「出国旅客税」として60豪ドル(約5000円)を課税。韓国も「出国納付金」として航空機の場合は1万ウォン(約1000円)を徴収する。1人1000円の出国税を16年の訪日客と日本人出国者の計約4000万人から徴収したとすると、今年度の観光庁予算(210億円)の2倍にあたる約400億円の財源が確保できる。

 石井啓一国土交通相は12日の記者会見で「多くの訪日外国人旅行客を受け入れるには受け入れ環境整備が必要。外部のさまざまな意見を取り込み検討の具体化を進める」と述べた。

 日本政府観光局(JNTO)によると、訪日客数は16年には2400万人を超えるなど順調な伸びを示している。ただ4000万人の政府目標達成には、海外宣伝の強化や多言語表示といった受け入れ環境の整備が必要で、6月に閣議決定された未来投資戦略には安定した財源確保が「高次元で観光政策を実行するために必要」と明記された。

 ただ、観光業界からは「訪日観光に冷や水を浴びせかねない」と“新税”に警戒の声もあり、徴収方法や使途などをめぐる調整が難航する可能性もある。

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