ハリケーン「イルマ」が10日に襲来した米フロリダ州のマイアミでは11日、復旧に向けた動きが始まった。ハリケーン被害で大洪水の恐れもあったが、北上しつつ勢力を弱めたイルマは予想された最悪の被害を残さなかった。エンキ・リサーチは被害額の予想を490億ドル(約5兆3600億円)と、従来予想の2000億ドルを引き下げた。ただ、この地域で700万近い世帯で停電となり、数百万人が一時的な待避を余儀なくされた。
また、米フロリダ州では固定電話サービス760万件が不通で、被災地域にある携帯電話関連設備の約27%が被害を受けた。米連邦通信委員会(FCC)の11日付リポートによると、マイアミ・デイドを含む5郡の被害は特に大きく、基地局の半分以上が機能しなくなっている。
フロリダ州のスコット知事は11日、上空から被害状況を視察。記者会見で「予想していたほどの被害ではなかった」と述べた上で、「破壊された住宅や吹き飛ばされた屋根やボートがはっきり見えた。だが、私はもっと大きな被害を想定していた」と語った。(ブルームバーグ Jonathan Levin、Mark Chediak)