サッカーで町おこしに成功 かつてはタイの最貧県、ブリーラムの挑戦 (1/3ページ)

ブリーラム・ユナイテッドのホームスタジアム「Newi-mobileStadium」=タイ東部ブリーラム県
ブリーラム・ユナイテッドのホームスタジアム「Newi-mobileStadium」=タイ東部ブリーラム県【拡大】

  • ブリーラム・ユナイテッド広報担当のスティラック氏

 タイで最もポピュラーなスポーツといえばサッカー。幼い頃から子供たちが将来を夢見てボールを蹴る姿は東南アジアでも見慣れた光景となっている。そうしたサッカーの魅力を通じて町おこしをしようという取り組みが今、タイの全土で広がっている。そのなかで最も成功を納め、最貧県から脱したとされるのが、東部イサーン地方のブリーラム県だ。

 私財34億円投資

 「かつてブリーラム県を訪れようという観光客はほとんどいなかった。ホテルの客室数も全部で400室余り。バンコクと結ぶ飛行機の便数も週3往復だった。それが今では総客室数6000室、飛行機は1日4往復、近い将来は1日7、8便に増便の見通しだ。全てはサッカーチームの誘致と隣接する自動車レース場開場のおかげ。その効果は絶大だ」

 こう話すのは、ブリーラムをホームタウンとするタイプレミアリーグの強豪ブリーラム・ユナイテッドFCの広報担当、スティラック・シィッティサクンルアンさんだ。ブリーラムで生まれ、故郷を愛する若者の一人。「サッカーがなかったら、ブリーラムはずっと最貧県のままだった」と振り返る。そのチームは目下、プレミアリーグのトップを独走中で、3連覇を達成した2015年以来の優勝を目指す。

 チームの誘致は、地元の名士で副首相などを歴任した政治家のネーウィン氏が09年に私財10億バーツ(約34億円)を投じ、当時アユタヤにあったクラブチームPEA(タイ電力公社)を買収したのがきっかけだった。英プレミアリーグの強豪レスター・シティのオーナーとも知己の関係にあったネーウィン氏。ノウハウをサッカーの先進地に求め、徹底した改革を行った。

地元の若者に権限、一丸に