S&P、中国「A+」に1段階格下げ 債務増大でリスク指摘

 米格付け大手S&Pグローバル・レーティングは21日、中国の長期国債格付けを従来の「AA-」から「A+」と1段階引き下げた。見通しは「ネガティブ(弱含み)」から「安定的」に変更した。債務増大がリスクを高めているとの見方を示した。同社による中国の格下げは、1999年以来初めて。

 S&Pは「中国の長期にわたる旺盛な与信拡大が、経済・金融面のリスクを高めた。この与信拡大は力強い実質国内総生産(GDP)成長と資産価格上昇に寄与したものの、金融安定をある程度損なった」と説明した。

 同社は格下げに伴い、中国で主に営業する本土外銀行3行の中国部門の格付けも引き下げた。「HSBCチャイナとハンセン・チャイナ、DBS銀行チャイナは中国がデフォルト(債務不履行)した場合にデフォルトを免れるとは考えにくい」と指摘した。

 中国を格下げした格付け大手は今年に入って2社目。米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは5月、中国の格付けを従来の「Aa3」から「A1」に引き下げた。

 中国が経済成長と、金融セクターの健全化を両立させられることへの国際社会の信頼が揺らいでいることがうかがわれる。格下げは、5年に1度の党大会を数週間後に控えた共産党にとって、懸念材料となりそうだ。

 スペイン銀ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)の夏楽エコノミストは「企業の格付けは長期国債格付けより高くなることはないので、中国企業への影響は比較的大きい。企業のファイナンス活動に影響するだろう」と指摘した。

 オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC、華僑銀行)の謝棟銘エコノミストは「S&Pによる格下げを市場は予想していた。驚きではない」と話した。(ブルームバーグ Yinan Zhao、Xiaoqing Pi)