「訪日客4000万人」は道半ば 観光庁、次は欧米豪から誘客促進 (1/2ページ)

草津温泉の「湯畑」のライトアップ=群馬県草津町(同町提供)
草津温泉の「湯畑」のライトアップ=群馬県草津町(同町提供)【拡大】

 日本を訪れる外国人旅行者が9月中旬に2000万人を超えた。過去最速のペースで、近い将来の年間3000万人突破も現実味を帯びるが、2020年に4000万人に増やす政府目標の達成には道半ばだ。政府は開拓の余地がある欧米からの誘致を進めるほか、各地の自治体では夜間ライトアップなど観光地の魅力を高める動きも出てきた。

 客単価の低さ課題

 「ドイツ人はアウトドアが好きで、流行には飛び付かない。ただ、リピーターになる可能性は高い」。東京都内で今月開かれた旅行会社向けのフォーラムで、ドイツに駐在している日本政府観光局の職員が、同国を対象とする旅行商品の開発を呼び掛けた。

 16年の訪日客は過去最多の2403万人を記録し、中国や韓国など東アジアが多くを占めた。ただ、国・地域別で訪日客数が2位だった韓国は今年も好調だが、16年の宿泊数は平均4.5泊、1人当たりの消費額は約7万円にとどまり客単価が低いことが課題となっている。

 そこで、観光庁が注目するのが欧米とオーストラリアだ。日本から比較的遠いため、滞在期間は平均2週間前後、1人当たり消費額も20万円前後と、東アジアより客単価は高額になると想定されている。

 観光庁は7月に「欧米豪市場推進室」を設置。政府観光局と連携して現地の旅行会社への広報活動を展開するほか、日本食や伝統、自然観光に関する魅力の普及を目指す。

 同庁幹部は「旅行消費額の目標達成には、長期滞在が期待できる欧米からの集客が必須だ」と強調する。

夜景の魅力アップ…夜間観光に注力