「自らが先頭に立って国難に立ち向かっていく。トップである私の責任であり、首相としての使命だ」
安倍晋三首相は衆院解散を表明した25日の記者会見で、こんな覚悟を示した。
なぜ今、解散なのか-。記者会見では、むしろ消費税の使途変更に言葉を費やしたが、安倍首相の決断理由は一にも二にも、そこに北朝鮮問題があるからだ。わが国はまさに、戦後最大の安全保障上の危機に直面しているのである。
「米国が来年、北朝鮮に軍事行動をとる可能性が出ている」
政府高官は最近、こう明言した。そして「今年は対北経済制裁をやったばかりで、これからその効果と反応を見定める時期だからないが…」と続けた。
安倍首相はトランプ米大統領と頻繁に電話や直接の会談を続けており、今やトランプ氏の考えを世界で最もよく知る外国首脳だ。すでに何らかのシグナルを受け取っているものとみられる。
一方、衆院議員の任期は来年12月までだ。現在のタイミングを逃すと、国際社会、とりわけ極東地域の大混乱の最中に、衆院選を強行せざるを得なくなるかもしれないというわけだ。