海底国産資源の開発に弾み 経産省など、世界初の大量採掘に成功

水深約1600メートルの海底熱水鉱床の鉱石を採掘するために投入される掘削機(経産省提供)
水深約1600メートルの海底熱水鉱床の鉱石を採掘するために投入される掘削機(経産省提供)【拡大】

 経済産業省と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は26日、海底にある鉱物資源を船で大量採掘することに世界で初めて成功したと発表した。沖縄県近海では海底から熱水と一緒に噴き出した金属が堆積してできる「海底熱水鉱床」の存在が相次いで確認されており、2020年代半ばごろの商用化を目指す。世界有数の排他的経済水域(EEZ)を持つ日本にとって、国産資源としての期待が高まる。

 海底熱水鉱床には亜鉛、鉛のほか、金や銅などの資源が含まれている。試験は8月中旬から9月23日まで実施。沖縄近海に投入した採掘機で海底約1600メートルの鉱床を細かく砕き、ポンプで海水とともに船に吸い上げる方式で試験を実施して成功した。重い鉱石を海水とともに目詰まりなく吸い上げるのが課題で、期間中、数十分間の連続採掘を16回行い、16.4トンを引き揚げた。

 海底熱水鉱床は沖縄近海以外に小笠原諸島近海などでも見つかっている。沖縄本島から北西に約110キロの海底にある伊是名海穴の資源量は740万トンで、国内の年間消費量と同等の亜鉛が埋蔵されているとみられている。

 経産省は他の海域での資源量調査などを実施し、18年度に経済性評価を行う。ポンプの大型化や掘削機の低価格化などの技術開発に取り組み、商業化を目指す。

 海底熱水鉱床での採掘技術は、岩盤に膜状に張り付くコバルトなどのレアメタル(希少金属)の採掘にも応用できるという。日本は鉱物を輸入に頼っており、JOGMECの辻本崇史理事は「海底資源の開発の転機になる」と期待を寄せた。