世界で「リチウム資源」争奪戦 中国の自動車大手、EV拡大にらみ豪鉱山「囲い込み」 (1/2ページ)

 欧州や中国が化石燃料車販売の段階的廃止方針を打ち出したことを受け、電気自動車(EV)や蓄電施設に活用されるリチウムイオン電池原料の争奪戦が始まった。中国の自動車業界がEV需要拡大をにらみ、オーストラリアのリチウム生産企業への出資を発表し資源の囲い込みに動く一方、オーストラリアの金融大手もリチウムやコバルト関連事業に注力し始めた。

 供給体制確立へ

 中国の自動車大手、長城汽車は豪鉱山会社、ピルバラ・ミネラルズの株式最大3.5%を2800万豪ドル(約24億7300万円)で取得する計画であることが、香港証券取引所への29日付提出資料で明らかになった。ピルバラは西オーストラリア州ピルバラ地域のリチウムとタンタル事業の権益を保有している。

 需要の拡大によりリチウムやコバルトなどの資源価格が上昇する中、長城汽車はEVバッテリーの材料になるこれらの資源の供給体制を確立したい考えだ。中国自動車業界では、EVメーカーの比亜迪(BYD)も3月、5億元(約84億円)を投じて中国の資源会社とリチウム開発で提携した。同社はコバルト生産事業でも複数の国有企業との提携を模索している。

 欧州や中国政府の動きが資源の争奪戦激化の一因だ。世界最大の自動車市場である中国は28日、2019年から大半の自動車メーカーに年間ベースで新エネルギー車の最低販売を義務付ける新たな規制を発表した。化石燃料を動力とする車を段階的に減らすことを目指すフランスや英国に続く動きだ。

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