「冷夏」で日経平均が下がる仕組み 個人消費が755億円も減少 “日照不足”の経済学 (2/4ページ)

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 3つの経路を通じて個人消費の下押し

 夏の低温や日照の少なさといった天候不順は、主に以下の3経路を通じて個人消費の下押し要因として働く。

 第一に、季節性の高い商品の売れ行きが落ち込み、いわゆる夏物商戦に悪影響を与える。具体的には、夏場に需要が盛り上がるビールやエアコン、夏物衣料などの売れ行きが鈍る。第二に、海水浴を始めとする行楽客の人出が減少する。このため、レジャー関連産業は打撃を受けることとなろう。第三に、農作物の生育を阻害し、冷害をもたらすことが想定される。農作物が不作となれば、農家世帯の所得減を通じて、個人消費にもマイナスの影響を及ぼす。

 夏の日照時間1割減で個人消費0.4%減

 国民経済計算のデータを用いて気象要因も含んだ7~9月期の家計消費関数を推計すると、7~9月期の日照時間が同時期の実質家計消費に統計的に有意な影響を及ぼす関係が認められる。そして、過去の関係からすれば、7~9月期の日照時間が▲10%減少すると、同時期の家計消費支出が▲0.4%程度押し下げられる計算になる。

 そこで、今夏の天候が景気に及ぼす影響を試算すれば、7月は東京・大阪平均の日照時間が平年より16.5%多かったことから、同時期の家計消費を+0.6%(+1236億円)押し上げた計算になる。しかし、8月の東京・大阪平均の日照時間が平年より22.6%少なかったことからすれば、仮に9月の日照時間が平年並みだったとしても、7~9月期の家計消費は▲0.13%(▲755億円)程度押し下げられ、7月のプラス分を相殺して余りある悪影響が出ると試算される。

心配される消費者心理の悪化