「冷夏」で日経平均が下がる仕組み 個人消費が755億円も減少 “日照不足”の経済学 (3/4ページ)

※写真はイメージです(Getty Images)
※写真はイメージです(Getty Images)【拡大】

 さらに心配されるのが消費者心理の悪化だ。というのも、今夏の状況は2003年に酷似している。当時の消費者態度指数を見ると、不良債権問題に伴う株安にイラク戦争の影響が重なり、全国の消費者心理が悪化した。また1993年には、景気動向指数の一致DI(企業の業況感や設備、雇用人員の過不足などの各種判断を指数化したもの)が改善したことを根拠に、政府が6月に景気底入れを宣言したが、円高やエルニーニョ現象が引き起こした長雨・冷夏等の悪影響により、景気底入れ宣言を取り下げざるを得なくなったという経緯がある。

 直近4~6月期には、北朝鮮情勢や生活品の値上げ等により、消費者心理はすでに悪化している。ここに今回は、北朝鮮情勢に伴う円高・株安に加え、猛暑から一転して日照不足が重なった。こうしたことを考えれば、今年7~9月期の経済成長率は消費者心理のさらなる悪化によって下押しされる可能性は無視できない。景気の先行きをめぐっては個人消費の動向も不透明要因として浮上しており、北朝鮮情勢やマーケットの動向と合わせて慎重に見極める必要がある。

 農業生産額は2%減少する

 また、冷夏による日照不足は、農作物の生育を阻害して冷害ももたらす。実際、93年は冷夏の影響により農作物に甚大な被害が発生し、とりわけ米の作況指数は全国平均で74(平年作=100)と戦後最低を記録した。この結果、93年度の農業所得は前年度比▲9.7%と大きく減少し、93年の農業の実質国内総生産は前年比▲11.0%と2桁の減少を記録している。

“ボディーブロー”は秋口以降、注意を