【論風】党利党略の解散・総選挙 「安倍一強」の驕りに審判 (3/3ページ)

 7月に行われた都議会議員選挙で自民党は記録的な大敗を喫した。同時に安倍内閣の支持率はみるみる急落し、不支持が支持を上回り政権維持にとって危険水準とされる3割を切る世論調査も出始めた。明らかに「安倍一強」の驕りに対する国民の批判である。

 このような国民の「首相不信」の逆風を受け、首相はひたすら反省の弁を述べ低姿勢に転じている。その後、内閣改造や党人事刷新をしたせいか、9月に入り新聞各紙ばらつきはあるが、おおむね内閣支持率は上向いてきた。しかしこれは北朝鮮の軍事的脅威や民進党の混乱に見られるような野党のふがいなさといった首相に有利な周囲の状況によるもので、受け皿がないということが原因だ。

 この支持率上昇に自信を得て、首相は衆議院の解散・総選挙に打って出た。この党利党略の総選挙に国民がどう答えるか、首相の驕りに対する批判を収め、日本の将来を再度任せるのか否かが、最大の焦点となろう。

【プロフィル】石弘光

 いし・ひろみつ 1961年一橋大経卒。その後大学院を経て、講師、助教授、教授、学長。専攻は財政学。経済学博士。現在、一橋大学ならびに中国人民大学名誉教授。放送大学学長、政府税制調査会会長などを歴任。80歳。東京都出身。