戦後2位に並んだ景気拡大期間も、実感なき回復いつまで… 来年以降、賃上げ加速? (2/2ページ)

東京・銀座の衣料品店で買い物をする女性。景気拡大が続くが実感は乏しい(ロイター)
東京・銀座の衣料品店で買い物をする女性。景気拡大が続くが実感は乏しい(ロイター)【拡大】

 それでも「回復の実感がない」といわれる理由について、ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「賃金が伸びず、景気実感に近い名目GDPの成長率も高くないからだ」とする。実際、名目賃金の平均月額の前年比伸び率は24~28年の間、一度も1%に達していない。これはいざなみ景気下でも同様の傾向だった。また28年の名目GDP成長率は1.3%にすぎず、7%台で推移したバブル期などから見劣りしている。

 背景の一つとみられるのが企業の慎重姿勢だ。上野氏は「いざなみ景気は10年ごろの金融危機の直後で、銀行や企業の破綻が相次いだ。企業はお金を賃金に回すより(危機に備えて)蓄えることを優先した」と指摘する。足元も2008年のリーマン・ショックなどの経験から、労使のリスク回避姿勢が強まり、「生活防衛のための消費者の節約志向が継続」(イオンの三宅香執行役)している。

 ただ、来年以降は「回復の実感」が強まるとの見方も出ている。三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは「円安の加速で企業業績が回復しており、来年春闘の賃上げ率は(連合集計で2%を下回った)今年を上回るのでは」と予想する。

 この結果、消費が増えれば企業の業績向上やさらなる賃上げ、物価上昇につながり、安倍政権が目指すデフレ脱却も現実味を帯びてきそうだ。(山口暢彦)