イシグロ文学とは…米紙「悲痛な孤独感が彼の作品の特徴だ」

カズオ・イシグロ氏(矢島康弘撮影)
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 「偉大な感性の小説」-。カズオ・イシグロ氏へのノーベル文学賞授賞を決めたスウェーデン・アカデミーは称賛した。欧米メディアでも「精緻な文学」や、「文学の橋渡し役」といった評価が「イシグロ文学」に対してあふれる。

 「悲痛な孤独感が彼の作品の特徴だ」

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、イシグロ文学をこう表現した。

 「ジェイン・オースティンとフランツ・カフカを組み合わせたような仕事」。英紙ガーディアン(電子版)によると、スウェーデン・アカデミーのダニウス事務局長は、イシグロ文学をこのように形容した。

 オースティンは日常の機微を細やかに描いた「高慢と偏見」で知られる英国の女流作家で、一方のカフカは代表作「変身」などで人間の孤独や絶望などを描いたチェコ出身の作家。さらにダニウス氏は、従来の小説の概念を大きく変えたとされる「失われた時を求めて」を書いたマルセル・プルーストを「ちょっと加え、かき混ぜる」と説明したという。いずれも、世界の文学史に残る作家だ。

 日本に生まれて英国で育ったというイシグロ氏の出自も注目されている。ワシントン・ポストは「彼の感性は日本語でなければ英語でもない。いかなる文化からも超然としている」という編集者の声を紹介。独文芸評論家デニス・シェック氏はDPA通信に「日英両国だけでなく、サイエンスフィクションや小説など(さまざまな文学)の橋渡し役だ」と称賛した。(三塚聖平)

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