中国海外投資は選別時代に 食料確保 良質な食品ブランド買収 (2/3ページ)

中国資本のバン・ディーメンズ・ランドが経営する豪タスマニアにある酪農場の搾乳施設(ブルームバーグ)
中国資本のバン・ディーメンズ・ランドが経営する豪タスマニアにある酪農場の搾乳施設(ブルームバーグ)【拡大】

 上海鵬欣集団は、ニュージーランドの酪農施設とブラジルの穀物トレーディング事業を保有する中国企業だ。会社の方針だとして匿名で取材に応じた広報担当者によると、同社は上海のような市場で迅速に利益を出せる先進国の有名ブランドを探している。確立した品質を求める方向への転換で、スーパーマーケットへの空輸が可能な生鮮品や、飼育に広大な土地を要する食肉など利益率の高い製品が重視されるようになった。

 投資会社ムーンレイク・インベストメンツは16年3月にオーストラリアの酪農企業、バン・ディーメンズ・ランド(VDL)を2億8000万豪ドル(現行為替レートで約248億円)で買収した。オーストラリアのタスマニア島から生乳を中国東部の寧波に直接空輸することで、この島の「クリーンで緑豊か」なイメージを最大活用する狙いがあった。

 過去には、中国企業が発展途上国の耕地を買い取ったが、穀物供給を拡大させられず、現地にも恩恵をもたらさなかったケースもある。モザンビーク政府は内戦で荒れた土地の生産性回復を目指し中国・湖北省と提携し、同省に拠点を置く万宝糧油がコメおよびトウモロコシの生産に向け2億5000万米ドルを投資した。コメ栽培の働き口が得られると聞いていたが、それは実現していないと地元農民のシルバ・ムテンバさんは話す。リンポポ川河口地域の非政府団体の統率組織責任者、アナスタシオ・マタベル氏によれば、ムテンバさんを含む農家8000世帯は5年前に農地へのアクセスが絶たれ、抗議活動に発展する事態となった。

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