バラ色の世界経済は続かない… 来年の景気減速、エコノミストが示す“3つの根拠” (1/5ページ)

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 世界的に安定的な経済成長が続いている。だが、そういうときこそ、冷静になるべきだ。いまの景気を牽引している要素に目を向ければ、来年の経済予測には違った姿が見えてくる。気鋭のエコノミストが楽観論に潜む「落とし穴」を検証する--。

 世界経済を支える3つの短期的好材料

 世界的に経済環境が改善し続けている。2017年前半の日本のGDP成長率は1.5%と、近年まれに見る高水準を記録した。日本に限らず諸外国を見渡しても、同様に順調な景気拡大が続いている。例えば米国と欧州(ユーロ圏)はともに今年前半2.1%の成長を記録し、緩やかながら加速傾向が見られる。また、一昨年から昨年にかけて「チャイナ・ショック(中国経済の減速と人民元レートの下落)」で世界中を震わせた中国ですら、成長率は6.9%に加速した。

 足元で順調な成長が続く中、エコノミストの見通しも総じて楽観的だ。IMFの経済予測(2017年7月時点)を例に挙げると、2017年の世界経済成長率は3.5%と、2016年の3.2%、2015年の3.4%を上回って着地する見通しとなっている。2018年は3.6%と、さらに成長が加速する見通しだ。しかしこのようにバラ色の世界経済見通しは、本当に実現するのだろうか? 見通しのどこかに落とし穴が隠されていないだろうか?

 この論点を検証すべく、本稿では、現在の世界経済の加速は何によってもたらされており、それらには持続性があるのかを確認したい。結論を先取りすると、世界経済は現在3つの短期的な好材料に支えられた、いわば「いいとこ取り」の状況に置かれている。したがって、2018年以降も好環境が続くことを期待すると、少し肩透かしを食らうことになるかもしれない。

今年、世界経済を加速させている要因