中国の債務問題に懸念表明 パウエルFRB理事

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル理事は12日、首都ワシントンで講演し、「中国企業が抱える債務問題は深刻化しており、金融市場の予測できない反応があるかもしれない」と懸念を表明した。

 イエレンFRB議長の任期は来年2月に切れる。米メディアはパウエル氏が次期議長の有力候補の一人としている。

 パウエル氏は、中国など新興国の事業会社が抱える債務が2017年1~3月期に27兆ドル(約3千兆円)に達し、08年の3倍に膨らんだと指摘。「中国の債務リスクは1990年代後半に起きたアジア通貨危機前の東アジアの水準を超えている」と警告した。

 パウエル氏が新興国の債務問題に言及したのは、FRBが利上げを進めると新興国から米国に資金が移り、問題が悪化する懸念があるためだ。(共同)