バングラ、はえ縄ライセンス発行加速 マグロ漁を振興

バングラデシュ南東部チッタゴン港を航行する船(ブルームバーグ)
バングラデシュ南東部チッタゴン港を航行する船(ブルームバーグ)【拡大】

 バングラデシュは、自国海域での漁業振興に向け、ライセンス発行を加速させる。同国の漁業・畜産省によると、発行するのはベンガル湾内とインド洋における深さ200メートル以上の海域でのはえ縄漁のライセンスで、現在までに16の企業が申し込みを済ませている。現地紙デーリー・スターが報じた。

 スリランカやインド、モルディブといったバングラデシュの近隣国は、商業漁業としてマグロなど遠海魚のはえ縄漁を行い、水揚げした魚を輸出している。しかし、バングラデシュはこれまで、はえ縄漁を行ってこなかった。

 このため、バングラデシュのマグロ漁獲量は近隣国に比べて少なく、漁業・畜産省の統計によると、2015年の漁獲量は網を使用するトロール漁船に偶然かかったものが商業漁業全体の漁獲量のわずか2%に相当するにすぎなかった。

 バングラデシュは、インド、ミャンマーとベンガル湾における領有権問題で長く対立していたが、14年にオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所の裁定により11万8813平方キロの領海が確定するなどした。政府はこの領海の海洋資源を生かし、漁業の振興を図りたい考えだ。

 また、将来的に200カイリの排他的経済水域(EEZ)の外でのマグロ漁を行うため、インド洋におけるマグロ類の資源保存および最適利用を目的に1996年に発足した「インド洋まぐろ類委員会(IOTC)」への加盟も目指すとしている。

 ライセンスを申し込んだ16社については、11月にも審査結果が発表される見通しだ。ただし、昨年、はえ縄漁のライセンスを取得した4社がまだ漁船の調達をしていないなど、マグロ漁の本格展開には時間を要するとみられている。専門家は、はえ縄漁には相応の初期投資が必要になると指摘し「外国から投資を呼び込むためにも、領海内のマグロの種類や回遊サイクルの実態を把握する必要がある」と述べた。(ニューデリー支局)