EVシフトを待つ“灰色の未来” 大量供給も需要不透明、採算割れ不可避 (1/3ページ)

中国・上海市内にあるテスラのショールーム。世界的なEVシフトの動きの中、事業の採算確保が困難との見方が浮上してきた(ブルームバーグ)
中国・上海市内にあるテスラのショールーム。世界的なEVシフトの動きの中、事業の採算確保が困難との見方が浮上してきた(ブルームバーグ)【拡大】

 欧州や中国で化石燃料自動車に対する長期的な規制が打ち出されたことなどを受け、世界の自動車各社が一斉に電気自動車(EV)事業にかじを切るなか、市場の先行きに懐疑的な見方が広がっている。各社は2020年代初頭をめどにEVを本格投入する計画だが、市場拡大に時間がかかるため十分な量産化効果が見込めず、採算割れに陥る可能性が指摘されている。

 売れるたび赤字

 EVは22年までに世界全体で約50のモデルが新たに市場に投入される見通しだ。

 独ダイムラーは10車種を22年までに発売する。BMW、フォルクスワーゲン(VW)傘下のアウディや、ポルシェ、ボルボ・カーもEV拡充の動きをみせる。米ゼネラル・モーターズ(GM)も2日、23年までにEVと燃料電池車(FCV)計20車種を発売すると発表した。同社のルース上級副社長は「GMは全てがEVとなる未来、自動車からの排ガスがなくなる未来を信じている」と語る。

 自動車業界だけではない。英家電大手ダイソンは9月26日、EVとEV向け電池の開発に20億ポンド(約2971億円)を投じ市場に参入すると宣言した。

 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)の予想では、市場に出回るEVモデル数が北米では今年9月末の24から22年3月末には47まで増える。中国では61が80に、欧州では31が58に増加し、22年末までには世界全体で136車種が市場にそろう見通しだ。これは、初期段階にあるEV市場に多くのプレーヤーがひしめきあうことを意味している。

各社がEVに注力する要因の一つは中国