【高論卓説】後退するグローバリズム 新たな冷戦構造、日本にも激動の波 (1/2ページ)

 スペイン北東部カタルーニャ自治州(州都バルセロナ)で独立を問う住民投票が行われ、賛成票が約90%を占めた。プチデモン州首相は「共和国として独立宣言するが、宣言の効力を凍結する」とし、独立を保留したが、独立問題は世界の再構築の動きで、欧州連合(EU)誕生などの合従連衡の動きと相反する。

 1980年代、世界は冷戦の終結に伴い東西の壁がなくなり、一つになる方向に動き出した。グローバリズムがその典型であり、冷戦の勝者である自由主義社会の雄である米国の価値観とルールで世界を統一しようという動きでもあった。

 その前提に立った場合、国という枠組みはそれを阻害するものであり、一種の障壁でもあった。そのため、公的事業や規制を限りなく減らすという小さな政府が選好され、欧州では、複数の国が一つになる連合政府をつくる動きが本格化した。経済の共同体をつくるという北米自由貿易協定(NAFTA)や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)も一連の流れといえる。

 しかし、リーマン・ショックにより、米国が主導してきた新自由主義的政策は否定され、同時に米国の国際的な経済力が低下。逆に資源国であるロシアと巨大な市場と人口を持つ中国の位置付けが上がり、再び新たな冷戦構造を生み出し始めた。ロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島問題で米国とロシアが、南シナ海問題で米国と中国が冷戦に突入した。

 そして、英国はEUからの独立を選択した。この時点で、世界が一つのルールで動くというグローバリズムは完全に瓦解(がかい)した。

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