【高論卓説】期待先行の株価回復 もろい官製相場、「希望」まだ遠く (1/2ページ)

 日経平均株価が先週末、2万1000円台を回復した。約21年ぶりの高値である。「21年ぶりの高値」と聞くと、歴史的な高値に駆け上がったかのような印象を受ける。しかし、1989年12月に付けた史上最高値3万8915円に比べると、半分を少し超えた水準にすぎない。史上最高値を更新し続けるニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均とは勢いを比べるべくもない。21年ぶりという数字が独り歩きし、市場関係者がはしゃいでいるだけのようにも映る。

 日経平均が2万1000円台を回復した最大の功労者は日銀だろう。日経平均は長く、「アベノミクス相場の高値」とされてきた2015年6月の2万0868円を抜けなかった。15年6月末の日銀の株価指数連動型上場投資信託(ETF)の保有額は5兆3894億円だった。それが17年10月10日現在で15兆8576億円に膨らんだ。2年余りで10兆円強増えた。

 一方でこの間、外国人投資家は売り越しを続けた。日銀が外国人投資家の大量の売りを吸収して相場を下支え、上値を追う下地を整えた。日銀のETF大量買いは10月に入って中断したが、日経平均が2万円を超えた9月下旬の段階でも3日間、各739億円の買いを入れた。

 こうした“官製相場”は株価形成にゆがみが生じる。典型は衣料量販店の「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの株価である。同社株は先週末、前日比1920円(5.5%)上げた。同社株は日経平均への寄与度がずばぬけて高い。同社株の上昇だけで日経平均を71円余り押し上げた。

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