3Dプリンター破壊的影響 国産化進展で貿易25%消滅の試算

 グローバルな貿易を批判する人は、3Dプリンティングの到来を歓迎するかもしれない。

 INGの国際貿易分析責任者、ラオル・リーリング氏は「3Dプリンティングの成長により、国境を越えた貿易のほぼ4分の1が2060年までに消滅する可能性がある」と指摘する。

 高速3Dプリンティングによる大量生産が実現すれば、グローバルな商品の流れに大きな破壊的影響をもたらす可能性があるとリーリング氏は予想。3Dプリンティング技術への投資の伸びが現在のペースで続けば、60年までに製品の約半分をプリンターで作ることができると同氏は推測している。

 これにより世界貿易は4分の1減少する見通しだ。労働力が今よりも少なくてすみ、人件費の低い国から中間財や最終財を輸入する必要性が低下するためだ。この結果、主要輸入国は貿易赤字が縮小する可能性があるものの、貿易黒字国は打撃を受ける恐れがある。

 これはリーリング氏の低成長シナリオだ。投資が5年ごとに2倍になる場合は、世界貿易の最大5分の2が失われる可能性があると同氏は推測する。ただ、現状では、全世界の3Dプリンターで作った製品や関連サービスの価値に関するデータはなく、また大量生産が可能になるほど技術も進歩していない。そのため同氏の予想は不確実であるものの、破壊的影響を及ぼす可能性を浮き彫りにしている。(ブルームバーグ Jeanna Smialek)