完全電動の超高級ボート「ダッシャー」 価格は50万ドル超、来夏発売予定 (1/3ページ)

 このほど開催された第47回ニューポート国際ボートショーで、90年近い歴史を持つ高級ヨットメーカーのヒンクリー(米ロードアイランド州ポーツマス)が完全電動ボート「ダッシャー」(全長約8.68メートル)を発表した。同社の新製品開発担当ディレクター、スコット・ブライアント氏は「過去にないデザインであるだけでなく、そこには2つの電動モーターが搭載されている。電気推進のためにゼロから設計したボートだ」と述べた。

 カーボンで軽量化

 ダッシャーの重量は約2948キログラムで、ヒンクリーの歴代ボートの中で最も軽い。同社のほぼ同じサイズのモーターボート「センター・コンソール29」は約3600キログラムだ。有名な船舶設計者のマイケル・ピーターズ氏がデザインしたハル(船体)とストリンガー(縦通材)の両方にカーボンファイバーを惜しみなく使うことで、ここまでの軽量化が実現した。

 また、ヒンクリーの高級ボートの象徴であるニス塗りのチーク材は、同社が商標登録する「アルチザナル・チーク」という素材に変更された。これは成形した合成素材に手作業で木目をペイントしたもので、ブライアント氏によると「文字通り、本物のチーク材と見分けがつかない」という。進んで新たなことに挑戦する精神で軽量素材を使用するのは、ヒンクリーに深く根づいた伝統。同社は1950年代に真っ先にグラスファイバーを取り入れたボートメーカーの一つだ。

 電動ボート自体は以前から存在するが、波のない場所での気軽なクルージング用の船が一般的。例えばダフィー・エレクトリック・ボートの「18スナッグ・ハーバー」がその一つで、最高スピードは時速約9.66メートル。高速ボートについては、今のところ実験や宣伝目的のものが多い。

時速約16キロならば最長約64キロメートル航行