「ミスター人民元」後継レースに4人 習近平氏腹心推薦の蒋氏ら (1/2ページ)

現職で在任14年を超えた中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁(右)の後任候補4人を挙げた香港紙の紙面(河崎真澄撮影)
現職で在任14年を超えた中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁(右)の後任候補4人を挙げた香港紙の紙面(河崎真澄撮影)【拡大】

 【北京=河崎真澄】5年に1度開かれる中国共産党大会が18日に開幕し、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁の後継レースが最終盤を迎えた。「ミスター人民元」と呼ばれる69歳の周氏は在任が14年を超えた異例の存在だ。党大会での議論を経て、来年3月までに交代する。

 後任候補には反腐敗運動のリーダー、王岐山・中央規律検査委員会書記に近い湖北省トップの蒋(しょう)超良(ちょうりょう)氏(60)ら4人の名が挙がる。習近平政権2期目で金融政策の要となる次期総裁人事は、最高指導部人事とも密接にからむ。

 党大会が近づくにつれて注目度が上がってきたのは湖北省党委書記の蒋氏。人民銀行を経て、中国農業銀行と交通銀行のトップを歴任し、吉林省長から昨年10月に現職に転じている。

 習氏の腹心中の腹心である王氏が広東省副省長だった1990年代、人民銀行の広州支店長だった蒋氏は98年に経営破綻したノンバンク、広東国際信託投資公司(GITIC)の不良債権処理で際だった手腕を発揮。王氏の信頼を得た。

 香港紙などは、最高指導部人事で去就が注目されている王氏が党大会での退任の条件として、蒋氏を人民銀行総裁に送り込むことを関係者に要求したと伝えている。共産党長老などから定年制に従って王氏退任を求める声が強まる中で、習氏の判断が注目される。

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