テレビ局のインタビューに応じ、厳しい表情を見せる希望の党の小池代表=22日、パリ(共同)【拡大】
「問題点は山ほどある。これまで東京都知事選と都議選は『完勝、完勝』だったが、今回(衆院選)は完敗だ」。希望の党代表、小池百合子にとってパリの秋風は冷たかった。
テレビ中継で敗因を語る表情に、いつもの笑顔はない。服も緑ではなくダークグレーだった。
解党・合流という奇策に出た民進党代表の前原誠司の表情はもっとさえなかった。22日夜、民進党本部でテレビ出演を待つその目には何かが光っていた。
「政治は結果が全て。一度立ち止まり、さまざまな方のご意見を伺う」
前原は絞り出すようにこう語り、辞意も漏らした。「政権交代」を合言葉に大勝負に出た小池と前原は一体どこでボタンを掛け違えたのか-。
「国政に出ません」
10月5日昼、東京・新宿の京王プラザホテルの一室で前原と小池は向き合った。ここで前原の淡い期待は打ち砕かれた。
前原「ぜひ衆院選に出てほしいんです」
小池「以前からお話ししている通りです。国政には出ません」
前原は二の句も継げず、こう懇願した。
「マザー・テレサのように民進党から行った人に寛容な心で接してください」
希望の党の失速はここから始まったが、前原はこの瞬間まで「小池は最終的に出馬を決断する」と信じ込んでいた。
これには訳がある。