首相、企業で保育所の整備要請 3000億円程度、経済界は前向きに検討

首相官邸で開かれた人生100年時代構想会議=27日午後
首相官邸で開かれた人生100年時代構想会議=27日午後【拡大】

  • 首相官邸に入る安倍晋三首相=27日午前(斎藤良雄撮影)

 安倍晋三首相は27日、政権の看板政策「人づくり革命」の会合で、保育の受け皿確保のための施策に必要となる財源として、3000億円程度の拠出を経済界に要請した。経団連の榊原定征会長は会合後、「応分の協力はすべきだ。どう対応できるか早急に詰めたい」と述べ、前向きに検討する意向を示した。

 政府は人づくり関連の政策パッケージを年末にまとめる。規模は2兆円程度で、うち1兆7000億円は消費税増税分の使途を変えて賄う。今回の要請通りに企業が3000億円を拠出すれば財源確保にめどがつく。

 この日開いたのは有識者らを招いた「人生100年時代構想会議」。首相は、「産業界に3000億円程度の拠出をお願いしたく、具体的な検討をいただきたい」と求めた。榊原会長は会合後、保育所整備など「事業主の納得できる方向でなら取り組める」と語った。企業の拠出は、子育て支援のため企業が負担する「事業主拠出金」の拡充が柱。今年度の負担料率は賃金総額の0.23%だが、これを0.45%程度に上げ3000億円を捻出する案が出ている。

 安倍首相は9月、22年度までの5年間で32万人分の保育の受け皿を増やす計画について、20年度までに前倒しする目標を示していた。