ボロマンションが億ションに 崩壊しない中国の不動産バブルに“3大悪人”の影 (4/5ページ)

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 しかし、上海万博も終わった2010年以降、「相場は上がるだけ上がった」という観測が強まり、「黄金期は終わった」と判断した投資家は、中国の資産を売却し始めた。2012年には中国の不動産市場に「冬の時代」が到来した。

 政府高官をはじめとした富裕層が中国で蓄えた富を北米や豪州、欧州などに分散させたのもこの時期だった。2014年を前後して「中国のゴーストマンション」が日本で報道されたのもこの頃である。中国経済そのものも落ち込み、「中国崩壊論」が世界で叫ばれるようになった。

 しかし、「冬の時代」は長くは続かなかった。2015年下半期から、価格上昇に転じる都市が増え始め、2016年にはまたしてもバブルの泡が膨らんだ。これもまた、前年の下落局面を受けての「反動」と見る向きが強い。

 筆者が上海で定点観測の対象にしているマンション(2LDK)の中古販売価格は、2015年9月で480万元(約7200万円)だったのが、2016年9月には850万(約1億2750万円)と、たった1年で77%も上昇した。

 しかも、この物件は、不動産バブルの黎明期だった2002年には180万元で購入できた物件である。築20年近い、管理も不十分なボロマンションに1億円以上の値段がつき、2002年比で5倍近くも上昇しているとはにわかに信じがたい話である。

 「上海の住宅バブルは崩壊しないのだ」--、こう自信ありげに語る地元民すらいる。確かに内陸の都市では住宅がだぶついているところもあるが、中国の沿海部の大都市では依然、価格は高止まりしている。仮に実体を乖離した不動産価格であっても、3割も4割も下落するようなことがあれば経済はクラッシュしてしまう。「そうはさせない」と市場をコントロールするのがまさに中国政府のやり方である。銀行融資の金利を上下させたり、頭金の割合を増減させたりするのが、コントロールの常套手段だと言われている。

中国バブルが崩壊するときはいつなのか