水産庁、クロマグロ定置網漁の共同管理廃止へ 漁獲枠、都道府県別に割り振り

 水産庁がクロマグロ沿岸漁業の規制に関し、青森など20道府県で定置網漁を共同管理しているグループ制を廃止する方向で検討に入ったことが分かった。7月から1年間の今漁期は北海道で取り過ぎてグループの漁獲枠を突破し、他の地域まで一律に操業自粛を強いられている。不公平をなくすため来年7月からは道府県ごとに漁獲量を管理し、操業の是非も決める方針だ。

 定置網は他の魚を狙ってもクロマグロが入ることが多く、管理が難しい。広域の枠を設ければ一部で想定外の大漁になっても枠内に収めやすいとみて、水産庁は昨年7月に共同管理を導入した。他の漁法は原則として都道府県別だが、定置網はグループ制が続く。

 しかし、特に国際的な資源管理の厳しい小型マグロ(30キロ未満)は、この20道府県の定置網の漁獲総量が今月6日時点で770トンに達し、年間上限580.5トンをわずか3カ月で突破。北海道だけで540トン超に膨らんだのが主因だった。

 水産庁はルール通り20道府県に操業自粛を求めたものの、道内では南かやべ漁業協同組合(函館市)の4業者が大量に水揚げしていたといい、あおりを受けた他の地域に不満が高まっていた。

 そこで、来年7月からの次の漁期は沿岸漁業全体の漁獲枠を都道府県別に割り振り、定置網の共同管理は取りやめる方向。操業自粛などは基本的に県単位で決めて広域の漁業者への影響を防ぐとともに、日本全体の枠を超えないようにする。

 一方、漁獲の少ない県などで今漁期に定置網漁を解禁すれば、2年連続で日本全体の漁獲量が枠を突破し、海外から批判を浴びる恐れがある。来年6月までは20道府県の操業自粛を続ける考えだ。