タイ 受け継がれる前国王の貧困救済プロジェクト (1/2ページ)

 ■農業、魚の養殖、手工業など育成

 タイで昨年死去したプミポン前国王は約50年前、貧困救済などを目的に「王室プロジェクト」を開始した。前国王の発案により各地で農業や魚の養殖業、手工業など幅広い産業が育成された。その意思は綿々と受け継がれ、良質な日用品や食料品など国民生活に密着した商品も開発され、人気を呼んでいる。

 カタン、カタン。タイ北部チェンライ県の山間部にある工場に並んだ数十台の機織り機を、少数民族の女性たちがリズミカルに動かしていた。少数民族の支援のため王室が主導した事業だ。特に女性の就労の場をつくろうと始められたといい、約60人が働いている。

 ここで訓練を受け、約20年前から働いている少数民族のアピワーンさんは「お金を稼いで家族の生活を支えることができて、うれしい。仕事にも誇りを持っている」と満足げだ。製品は日本など国外にも輸出されている。

 同県の陶磁器工場では、近くで栽培されたマカダミアナッツの殻をうわぐすりに利用するなど、地元産品が活用されている。

 政府によると、1950年にタイ北部を上空から視察した前国王は、アヘンの原料となるケシの畑が広がる様子を目にした。貧困層を経済的に自立させようと、69年にプロジェクトが動きだした。

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