【新興国に翔ける】海外販売における日本企業の課題 (1/2ページ)

 □スパイダー・イニシアティブ 代表・森辺一樹

 一般的な海外販売ストラクチャー(構造)には、各レイヤー(階層)でさまざまな課題が存在する。総じて、日本の消費財メーカーの最大課題は、流通から小売りに至る「チャネル力」の弱さに集約される。

 強固な販売チャネルをつくり、その販売チャネルの効果を最大化できないことが、伝統小売りを含めた配荷率とリピート率の低さにつながり、結果的に現地シェアが上がらないという悪循環を生んでいる。

 地域統括会社の課題は、各国事業の統括がうまくいかないことだ。具体的には、世界標準化と現地適合化の切り分けができないことや、優秀な統括マネジャーの不在などが挙げられる。

 現地法人の課題は、日本人駐在員のノウハウが不足している割にコストが高いことや、優秀な現地スタッフの採用が難しいこと、チャネル構築のノウハウがないことなどが挙げられる。

 現地の卸売業者や販売代理店などディストリビューターのレイヤーでは、チャネル構築の具体的戦略が描けない。ディストリビューターの選定とネットワーク化が困難なうえに、ディストリビューターの管理と育成ノウハウの不足など課題が多い。サブ・ディストリビューターまでいくと、そもそも実態を把握しきれていない。

 小売りのレイヤーでは、導入戦略が描けない。このため、小売りの実態が見えず、近代小売りとの強固な関係が築けない。伝統小売りへの配荷と食品サービス業者への配荷が進まないなど、これまた課題山積である。

消費者の支持を得るための「4A」