米追加利上げ、崩壊の引き金 株式バブル、長期低落の実体経済と乖離 (1/2ページ)

米ニューヨーク証券取引所の取引フロアで働くトレーダーら。FRBの追加利上げは株式バブルの崩壊を招く引き金となるのか(ブルームバーグ)
米ニューヨーク証券取引所の取引フロアで働くトレーダーら。FRBの追加利上げは株式バブルの崩壊を招く引き金となるのか(ブルームバーグ)【拡大】

 雇用市場は強く、賃金の上昇に伴い低いインフレ率も来年には上昇に向かうというのが米金融当局の見解だが、トレンドに逆らっているように見える。

 非農業部門の雇用者数を前年比で見ると、2015年2月の2.3%増を今回の景気拡大局面のピークとして低下トレンドを続けてきており、直近9月には1.2%増に落ち込んだ。9月はハリケーンの影響で下振れしたものの、下降トレンドに沿った動きに変化はない。

 しかも、このトレンドは超長期低落トレンドのほんのひとこまにすぎない。米国経済が製造業の衰退から金融主導型に転換する1980年代初めまでさかのぼると、景気循環を繰り返しながらも雇用減速トレンドが続いてきたことが見て取れる。米国の実体経済は金融が主導する中で長期的な減速軌道をたどってきたわけだ。

 雇用と物価 減退顕著

 この超長期低落トレンドは、経済の体温とも言うべき物価動向にも認められる。金融政策を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ目標の基準とする個人消費支出(PCE)価格指数の年間変動率と雇用の年間増減率を比べると一定の相関が見られる。

 労働市場も物価も長期低落トレンドを続けてきており、金融政策でこの構造変化の流れを変えることなどできない相談だ。それどころか、無理な金融緩和措置で貧富の差の拡大や実体経済から乖離(かいり)したバブルを醸成し続けるリスクが高い。

将来を見通す上で、注目すべき点は