ベトナム、「二人っ子政策」緩和を検討 少子高齢化を懸念

バイクに乗る親子連れ。ベトナムは出生率が低下するなか、二人っ子政策の見直しを求める声が広がっている=首都ハノイ(ブルームバーグ)
バイクに乗る親子連れ。ベトナムは出生率が低下するなか、二人っ子政策の見直しを求める声が広がっている=首都ハノイ(ブルームバーグ)【拡大】

 ベトナムは、1組の夫婦の子供の数を2人以下に抑制する「二人っ子政策」の緩和を検討している。少子高齢化が進むなか、労働力の確保や高齢者に対する社会保障制度の維持への懸念が背景にある。国営ベトナム・ニューズなどが報じた。

 同国保健省は現在、「二人っ子政策」の緩和について3つの案を提示している。

 1つ目は、地域ごとの合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の平均人数)を考慮し、各地域で子供の数を2人以下に抑制するかどうかを決める。2つ目は、二人っ子政策を現状のまま維持する。3つ目は、子供の数は夫婦が決定できるようにする案だ。

 同国の二人っ子政策は現在、法的強制力はないものの、公務員などでは子供が3人以上いると左遷や減給の対象とされる。

 同省によると、同国の合計特殊出生率は過去10年、人口を維持するために必要な2.1と同水準を保ってきた。

 しかし、都市部を中心に少子高齢化が進むなか、同国最大都市ホーチミン市の人口・家族計画局は、合計特殊出生率が2015年に1.45に低下したと指摘。南部の農村部メコンデルタ地域でも、合計特殊出生率は1.5~1.6とされる。

 保健省の幹部は、合計特殊出生率が低下するなか、このまま二人っ子政策を継続すれば、向こう10年間で同国は労働力の不足や高齢者の社会福祉負担増など深刻な問題に直面する恐れがあると警鐘を鳴らす。韓国を例に挙げ、1996年に合計特殊出生率が1.6を下回り産児制限政策を廃止したものの、出生率の低下が続き、2005年には1.08に下落したと指摘した。その後も韓国は、少子化対策に注力するものの、16年の出生率が1.17にとどまっている。

 韓国の事例を踏まえたうえで、同幹部は他国を見ても低下した出生率を回復させることは困難だとし、二人っ子政策の緩和が必要との見方を強調した。(シンガポール支局)