世界のOSAKA、訪日客で復権へ (3/4ページ)

大阪の観光スポットの一つ、道頓堀にある江崎グリコの大看板を背景に記念撮影する観光客(ブルームバーグ)
大阪の観光スポットの一つ、道頓堀にある江崎グリコの大看板を背景に記念撮影する観光客(ブルームバーグ)【拡大】

 消費活性化は地域全体に及んでおり、日銀が発表した10月の地域経済報告では、インバウンドの好調を一因に近畿の景気判断を08年1月以来9年9カ月ぶりに「緩やかに拡大している」に引き上げた。日銀が公表した8月の関西地域の百貨店免税売上高は前年比倍増となり、J.フロントリテイリングの大丸心斎橋店の3~8月の免税売上高は同56.1%増の110億円と売上高の3割を占める。

 地価にも好影響を与え、国土交通省によると、17年の大阪府の基準地価は5.0%上昇した。三菱UFJ信託銀行は8月31日付のリポートで「インバウンドの恩恵が影響していると考えられる」と分析している。

 起業も増えている。厚生労働省の「雇用保険事業年報」によると、今年1~8月の新規適用事業所数(起業数)は前年同期比25.9%増の9697件と、全国(21.4%増)と東京(14.8%増)を上回る高い伸びを見せた。

 日銀の衛藤支店長は「インバウンド関連の小売りや外食が増えているのではないか」とした上で、「人口減少で先細るだけだったら起こらなかったことが起こり始めている」と語った。

 ◆万博やIR追い風

 観光振興の司令塔である大阪観光局の溝畑宏理事長は旧自治省(現総務省)出身で元観光庁長官。15年4月に理事長となった。京都府出身の溝畑氏にとって関西に戻ってきたのは36年ぶり。「当時、大阪はまぶしい存在だったが、30年後に経済指標を見たら地方都市と変わらなくなっていた。突き抜けた感覚や創意工夫、突破力、そういうところが大阪の魅力だったのに、知らぬ間に東京のまねをし始めていた」と語る。