元NY州知事、利益急がぬ賃貸物件開発 (1/2ページ)

ブルックリンの建設中マンションから見たマンハッタンの高層ビル群(ブルームバーグ)
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 元ニューヨーク州知事のエリオット・スピッツァー氏は、ブルックリンに建設中の賃貸マンションからの眺めを楽しんでいる。前方にはマンハッタンの高層ビル群が、右手にはウィリアムズバーグ橋が見える。橋の右側では競合会社が2800室の賃貸マンションを開発中だ。

 家族経営の不動産会社を率いるスピッツァー氏は、他の住宅開発業者がブルックリンを賃貸マンションで埋め尽くそうとしているこの時期に、初のマンション開発に着手した。ニューヨークで最も流行に敏感な同地区で2棟のビルを建設し、857室の賃貸マンションを供給する計画だ。

 ブルックリンのマンション供給はここ2年にわたり増え続けている。同地区で不況後の建設ブームは賃貸物件に集中しており、開発業者などは周辺地区の住宅高級化により、ブルックリンでもより高額な家賃の設定が可能になると見込んでいる。同地区ではこれから年末にかけて3083室、来年にはさらに1986室が、新たに市場に出回る見込みだ。

 ただ、同地区ではマンション供給の増加から、過去12カ月のうち9カ月は家賃が値下がりしている。高級物件の増加から、家主は空きが出ないように割引料金や無料月間などの提供を行っており、同地区の8月の平均家賃は2851ドル(約33万円)と、前年から0.3%下がった。家賃のピークは2016年5月の2973ドル。不動産査定会社の関係者は「供給面では困難な時期だ」と話す。

 もっともスピッツァー氏は、ウィリアムズバーグのウオーターフロント地区における開発計画を長い目で見ている。「私の家族は60年にわたりニューヨークでビルを建て、数世代にわたって所有してきた。月単位の家賃変動や最近のマンション供給の増加などは大した問題ではない」とスピッツァー氏は語る。

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