トランプ米大統領、対日赤字是正を要求 TPPを「正しい答えではない」と切り捨て

日米のビジネスリーダーらとの会合で、出席者と握手するトランプ米大統領(右)=6日午前9時26分、東京都港区の駐日米大使公邸(代表撮影)
日米のビジネスリーダーらとの会合で、出席者と握手するトランプ米大統領(右)=6日午前9時26分、東京都港区の駐日米大使公邸(代表撮影)【拡大】

 訪日中のトランプ米大統領は6日、都内のハガティー駐日米大使公邸で日米の企業トップらを前に演説した。トランプ氏は「米国は長年にわたり日本との貿易赤字に苦しめられてきた」と述べ、貿易不均衡の是正に向けて日本政府と交渉に入る意向を表明した。

 トランプ氏は、米国の対日赤字は「年間700億ドルに達している」と指摘した上で、「日本と交渉する必要がある」と強調。「交渉は友好的に進められ、必ず成功裏に終わるだろう」と語った。

 トランプ氏はまた、日本の対米貿易黒字解消の具体的手段として、米国製の最先端兵器を日本が購入することを提案し、特に弾道ミサイル防衛システムの導入を強く促した。

 さらに、「日本との貿易は現在、公正でも開放的でもない。自由でも互恵的でもない」と訴え、「改善」への決意を表明した。

 米国が離脱した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関しては「正しい答えではない」と語り、トランプ政権として復帰する意思はないことを強調。日米の自由貿易協定(FTA)を視野に2国間で貿易に関する取り決めを図ることに意欲を示した。(ワシントン支局 黒瀬悦成)